イングランドプレミアリーグの強豪・リバプールFCが2018年から、スローインの専門コーチを採用していることが一部で話題になっています。

ビジネスのブランディングなどを考える上でも、非常にタメになる話だなと思ったので、備忘録も兼ねて書いておきます。

サッカーをあまり知らない方でも、極力分からない箇所がないよう書いているつもりですので、読んでみて頂ければ!

 

スローイン専門コーチとは?

スローイン専門コーチとは、文字通りそのまま、スローインを教えるコーチのこと。

 

ピンと来ない方のために一応説明しておくと、サッカーでフィールドの外にボールが出た時に、両手でボールを持ってフィールドの中に投げ入れる行為がスローインです。

 

そのコーチは、デンマーク人のグレンマークという方で、スローインで51.33メートル飛ばした最長記録保持者。

2004年からスローインコーチとして幾つかのクラブで雇われてきた方だそうです。

 

とはいえ、リバプールのような超ビッグクラブがそういう人間を正式に招き入れたことに驚きの声が上がっています。

リバプールのようなクラブであれば、フィジカル面や栄養面をはじめ、超一流のサポート体制を敷いていますが、

そのラインナップに「スローイン」まで加わるというのはかなり画期的な話です。

 

少なくとも、2019年現在、スローインというニッチなプレーに対して専任のコーチを付けているビッグクラブは他にありません。

 

スローインはこれまで盲点だった

ヨーロッパサッカーでは特に、いかに合理的に攻撃、そして守備をするかという戦術的な面で日夜分析がなされ、どんどん進化していっています。

あるトレンドが生まれると、それに対抗する方法が発明される、、という流れがこの10年ほどずっと続いていて、戦術は常にアップデートを繰り返しています。

 

そんな中で、スローインというものの価値はかなりおざなりにされてきた、なんならほぼ完全に無視されてきた印象があります。

トップレベルの試合であっても、スローインはあくまでも「フィールドにボールを戻すための作業」みたいな感じで、乱暴な言い方をすれば半ば適当に行われています。

もちろん、本当に適当かと言われればそうではないんですが、

フィールドの中での戦術的徹底とは比較にならないくらい、非常にざっくりとした方針のもと行われてきたのは間違いないと思います。

 

ですが、スローインって本当はかなり大事なんですよね。

グレンマークさんに関する記事ではロングスローにフォーカスが当たりがちで、もちろんそれも大事です。

ロングスロー一発で相手ゴール前にボールを放り込めれば、打開出来なかった戦況を一気にひっくり返すことが出来ますから。

 

そういう意味では、ヨーロッパのトップレベルより先にロングスローを多用していた日本の高校サッカーは、賛否があるにせよ革新的だったのかもしれません。

 

ですが、よくよく読んでみると、彼が主張しているのはそれだけではないようです。

これまで半ば運任せにされてきたスローインに対して、戦術的な重みを付加出来れば、

  • スローインでみすみすマイボールを失う確率を減らす
  • その後の展開を考慮した上で最適解のスローインを行う

といったことが可能になると。

 

これは本当にその通りで、スローインをする時点では自分達のボールだったのに、はっきりとした考えや方針なく行ったがゆえに、

簡単に相手にボールを渡す結果になってしまったり、なぜかその後すぐに不利な状況に陥ったりしてしまうケースは、トップレベルであっても散見されます。

 

僕も一応草サッカーやってますが、皆スローインは正解が分からないまま、文字通り適当にやっていますし、その割に上に書いたようなマイナスの結果は起こりまくっています。笑

 

スローイン専門コーチが教えてくれたこと

どうやらこのグランマークさんという方は、リバプールFCのユルゲン・クロップ監督に、直談判に近い形で話を持っていったみたいです。

クロップさんは日本代表・香川真司選手とボルシア・ドルトムント時代の同僚で、新進気鋭の若手監督として有名な方。

今回、リバプールFCとグレンマーク氏が協力関係を結ぶことになったのも、クロップさんの柔軟な姿勢あってこそなのですが、それ以上に、グレンマークさんの着眼点が凄いなと。

 

今回彼が僕に教えてくれた1番大きな教訓は

「これまでおざなりにされてきたものを磨き上げれば、一流のビジネスになり得る」ということ。

 

多分どんなジャンルにも、「本当は重要なのに、当たり前になり過ぎて着目すらされていない部分」っていうのはあるはずなんですよね。

スローインなんて、少なく見積もっても半世紀は行われてきたプレーなのに、全くクローズアップされてこなかったわけです。

だからこそ、その「当たり前」というフィルターをいかに取り払って物事を見て考えることが出来るかっていうところの重要性を教えてもらった気がしています。

 

繰り返しますが、おそらくはどんなジャンルの仕事でも、そういう部分はあるはずです。

そこに気づくことが出来るかどうかという視点を常に持ってもう一度身の回りのことを見直してみるだけでも、ビジネスチャンスは大いに生まれる可能性がありますね!

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