八十八ヶ所巡礼は東京都出身の3人組ロックバンド。
どんな音楽かは公式サイトより引用。
マーガレット廣井(Ba.と歌と主犯格)の必要以上に唸るベースと浮き浮きな歌唱が有り、
Katzuya Shimizu(Gt.と参謀と演技指導)の馬鹿なテクニカルギターが止むことなく降り注ぎ、
Kenzoooooo(Dr.と極道と含み笑い)のタフなドラミングがそいつ等を増幅させる。。そんなちょっとやそっとじゃ想像できないロック音楽。
浮き浮きするプログレの端くれ。
それが『八十八ヶ所巡礼』だ。八十八ヶ所巡礼の公式サイトより
、、分かるような分からんようなという感じですが、彼らは3人全員がスタジオミュージシャン志望だったこともあり、それはもう抜群のスキルを持っています。
やろうと思えば、超オサレな音楽だって、キャッチーなポップスだって容易に出来るはず。
なのにどうして、これほどまでにクレイジーなコンセプトの元、あらぬベクトルに自分たちのリソースを全力投球しておられるのでしょうか。
最高です。
個人的には、「技術面が優れていることは良い音楽の絶対条件では全然ない」と思っていますが、これだけの説得力で鳴らされた日には、ぐうの音も出ません。
また、上記の紹介文では「プログレ」と形容されていますが、分類するとすればそうとしか言いようがないものの、実際はそこまで分かりにくい音楽にはなっていません。
普通の人(?)から見れば充分ドン引きもので理解不能だと思いますが、各パートの分離は意図的にハッキリさせてありますし、楽曲の構造自体は比較的シンプルです。
個々人のスキルが高いと、一歩間違えればオ〇ニー一直線なジャムセッションパートなんかをやりたくなっちゃうものですが、
あくまでも楽曲をビルドアップさせることを至上命題にして、アドリブの余地を排除しているのも個人的にはポイント高いです。
(もっと好き勝手に曲の構造を破壊しまくるバンドも好きですが!)
僕が1番好きな曲は、仏に狂うと書いて「仏狂」。
GunsのSlashみたいなギターが突然入ってくるところ含め、楽器隊のフレーズが軒並み美味しすぎますし、ドライヴ感も満点でめっちゃかっこいいです。
また、彼らは最近の若手バンドには珍しく、3人のキャラが全員立っていることも◎。
「冴えない兄ちゃん達でも音楽さえ良ければ」っていう哲学は、おそらくグランジ以降に大衆音楽界に持ち込まれた価値観で、功罪両方あるわけですが、「音楽は才能とカリスマ性に抜きん出た選ばれた人間こそがやるもの」っていうのも僕の中では根強くあって。
洋邦問わず、現代のバンドではそういう圧倒的な個性を感じさせてくれるバンドがなかなかいないだけに、その部分だけでも支持したくなっちゃいますね。
そうは言っても、ヘロヘロなインディポップとかも好きなので、思い切りダブルスタンダードなのですが!
あと、こういうバンドの場合、
- やりたい放題やるものの、金がもたなくなってあっけなく解散
- そもそもが才能人たちの気まぐれで長期的な活動にならない
っていう道を辿ることが多いと思うんですが、彼らに関してはなんとなく、「意外と大丈夫そう?」っていう気がしてます。
というのも、「芸が身を助ける」っていうのはやっぱり言い得て妙で、技術を有しているがゆえのセーフティネットが彼らには残されていると思うんですよね。
端的に言えば、講師業とかそういう類の話になってくると思うんですが、実際、ギターのKatzuya Shimizuさんはコロイデア音楽塾っていう教室で先生もされてます。
コロイデアさんは「現役のバンドマンから直接レッスンを受けられる音楽教室」で、ありそうでなかったそのコンセプト自体、ビジネスモデルとしても素晴らしいなと思います。
僕は利用したことはありませんが、凄く興味をそそられます。気になる方はどうぞ!
ベースのマーガレット廣井さん、ドラムスのkenzoさんも、「技術は10代の時に既に確立していた」とおっしゃっているほどのバカテクぶりなので、(仕事さえ選ばなければ)引く手数多であるはず。
まぁ、その割にはサイドワークをやっているという話も耳にしませんが、それだけこのバンドに集中している、出来ているということの証左であるのかもしれません。
実はもう既にかなりの枚数を出しているバンドですしね。意外と堅実でしたたかです。
活動期間が長ければ長いほど、(一部の人種に)多大な影響を与え続けることが出来るバンドだと思うので、これからも応援していきます。
ちなみに、コロイデアさんと当サイトは同じWordpressテーマ「Stork」を使って作られております。
カスタマイズの仕方がとても上手で、参考にさせてもらってます。そちらも気になる方はどうぞ。